まっさらな新築住宅は魅力がありますよね。
でも予算が限られているから、選択肢はむずかしいかもと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
新築を買えればそれが一番理想ですが、中古住宅も魅力的な物件はたくさんあります。
その理由が、「住みたい場所に住宅を購入できる」ということです。
駅の近くや、今住んでいる環境を変えたくないなど、ピンポイントで探す場合に、比較的早く見つかり、新築住宅に比べて価格が安く、手が届きやすいというメリットがあるためです。
また、中古住宅を安く購入し、大掛かりなリノベーションをして、理想の間取りで暮らしたいと考えている人も少なくありません。
ただ、価格は安いとはいえ、大きな買い物です。
中古住宅を購入する際に、後悔が無いように何に気を付ければいいのか、注意点について解説していきます。
目次
【中古住宅の購入】メリット・デメリット
メリット
価格が安く手に届きやすい
中古住宅を購入するうえで、最大のメリットは「価格が安い」ということ。
新築住宅を購入しても、5年も経つと評価額が下がり、それが価格にも反映されてしまいます。
もともと価格が安い中古住宅は、資産としての価値の下落幅が低いということです。
また、価格が安いので、購入後、リフォームをして自分の好みの間取りに変更するという人も多いです。
物件数が多く、理想の家を探しやすい
中古住宅は新築住宅と比べて、市場に出回っている物件数が多いので、探しやすいというメリットがあります。
新築では高額になってしまう、駅に近い資産価値が高い物件でも、購入しやすくなります。
実際に見て選べる
新築住宅は、写真や図面だけでしか確認できない物件がほとんどですが、中古住宅は、購入する段階で現物を確認できることがメリットです。
また、実際に売主が居住しているところに内覧することができ、「ここに住んだらこんな生活ができる」というイメージがしやすくなります。
デメリット
早めの修繕費が必要
新築住宅と比べて、築年数が経っていることから設備関係や内装など、購入したときは大丈夫でも、住み始めてから修繕が必要になってしまう時期が、早く来てしまうということです。
最近では、住宅購入費用とローンを一本化できるローン商品もありますが、条件によっては使えない可能性もあります。
まえもって、修繕費の見積もりをした金額で予算を考えると、余裕がでてきますね。
住宅ローン控除が受けられない可能性もある
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んで購入する際に税金が戻ってくるシステムですが、中古住宅の場合、築年数が20年以上(耐火構造物は25年)経ってしまっていると、この控除が受けられない可能性があります。
一定の条件を満たすことで、対象物件になる可能性はありますが、購入前に基準が大丈夫か確認しておくことも必要です。

【中古住宅の購入】注意するポイント
【一戸建て】
地盤
日本は地震が多い国です。
地盤の強度は耐震性に深くかかわってきますので、中古住宅がある地域の地盤は緩くはないか、
事前に確認できると安心できます。
今は、インターネット上で、災害リスクを簡単にチェックできるサイトもあります。
代表的なのは国土交通省のハザードマップポータルサイトです。
https://disaportal.gsi.go.jp/
気になる住宅を見つけたら、確認してみましょう。
また、住宅の基礎工事については、2000年に地盤の強さに応じた基礎を選ぶように義務付けられました。それ以前の住宅に関しては、地盤の影響で建物が傾斜してしまったりしていないか、歪みが生じていないかチェックしておいたほうが、安心です。
基礎の部分にひび割れがないかどうか、確認してみましょう。
再建築ができるかどうか
一戸建てを購入したら、将来、子どもの世代になって建替えができなかったということがないように、気をつけましょう。
主なポイントは
・道路に接していない
・幅が2メートル未満の道路に接している
という点です。
この場合、住宅ローンが組めない可能性が高いので、チェックが必要です。
屋根・外壁
屋根は梯子などを使って登ってみないと、なかなか確認しづらい場所です。
事前に不動産業者が確認しているかどうか、聞いてみましょう。
ポイントは、瓦や屋根板の破損状況、ズレなどがないかといった点です。
外壁は屋根に比べて、目視で発見しやすい箇所です。
ひび割れがないか、目地の部分に使われているコーキング材が剥がれてしまっていないか
などです。
屋根や外壁の修繕工事は15年~20年に一度、行っておくと家が長持ちするとされています。
今のメンテナンスの状況を確認して、これからかかる費用についてチェックすることも大切です。
シロアリ
中古住宅を購入する際、特に注意したほうがいいのがシロアリによる被害です。
日当たりや風通しが悪い環境は、シロアリの最も好む場所です。
シロアリを見つけると、建物が倒壊してしまう可能性があるので、床がきしんだり、ぶかぶかしたりしていないかどうか、確認してみてください。
水回りの劣化や不備
排水溝などからあがってくるニオイがないか、水漏れはないか確認しましょう。
築年数の浅い物件であれば安心と思わずに、使用頻度が高いキッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水まわりの設備は、購入してから改修する必要がないかどうかチェックすることが大切です。
【中古マンション】
中古マンションを購入する場合、自分が所有する専有部分と、居住者全員に持分がある共有部分があります。部屋の内部だけではなく、共有部分についても確認することが大切です。
また、マンションの価値を決めるのに、管理組合の存在も見過ごせません。
共有部分の手入れ具合
マンションの顔ともいえるエントランスや集合ポスト、駐輪場やゴミ置き場など、住民が共同で使う場所の手入れが行き届いているかを、きちんと見ておきましょう。
また、エレベーターのあるマンションでは、定期的に設備点検がされているか確認してください。
マンションの場合、個人の部屋を大事に使っても、共有部分が荒れていれば価値は下がってしまいます。
管理がしっかりしているかを確認し、マンションの価値が高いかどうか判断する基準にしてください。
大規模修繕のための積立金
一棟の建物を所有者で共有しているマンションでは、大規模修繕の費用を共有持ち分に応じて積み立てています。築年数が経ってしまっているマンションは、大規模修繕が必要になりますが、工事をするための修繕費がしっかり積立てられているかどうか、確認しましょう。
毎年、1回発行される、管理組合の決算報告書に目を通してみてください。

ホームインスペクションとは
ここまで、中古住宅を購入する際に注意するポイントを説明してきましたが、目に見えない住宅の基礎など、居住している売主でさえ、気が付けなかったというリスクも出てきます。
そんな時、第三者の目を通して調査を行っていれば安心ですよね。
ホームインスペクションといって、住宅診断士が、専門家の見地から住宅の劣化や欠陥を調べ、アドバイスなどを行う調査方法があります。
これに合格していると、「瑕疵担保保険」に加入することができます。
売主が任意に実施している場合もありますが、買主が自分で第三者に依頼することもできます。
合格しているかどうかを確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ
中古住宅は新築住宅に比べて、市場にたくさんの物件が流通しています。
それだけ選択肢も多くなりますので、物件を選ぶ際は慎重に見極めることが大切です。
一戸建てに関しては、地盤がしっかりしたものを選ぶ、再建築が可能かどうかといった、後になってからでは、取り返しがつかないこともあります。
購入するにあたって注意する点をしっかり理解して、必要があればホームインスペクションなど、第三者の目を使って、見極めていってくださいね。
以上、大分不動産情報サービスの臼井でした。