さて皆さんが例えば、大分市で不動産を購入するとしたら、住宅費用のお支払い方法はどうされますか?
「もしかしてキャッシュ(現金)ですか?」いえいえ・・・「うちは、貯金がそんなにないからキャッシュでお家は買えないです・・・」と言う方が大半だと思います。
実際、キャッシュで住宅を購入される方は全体の5%程度しかいらっしゃらず、 残り95%の方は住宅ローンをご利用されます。
さて本日は、住宅ローン、特に金利プランについて大分不動産情報サービス(SAKAI株式会社)代表取締役の臼井栄仁がお話しさせていただこうと思います
目次
実はわかりにくい住宅ローン
さて「住宅ローン」という言葉をほとんどの方が聞かれたことがあるかと思いますが、十分にご理解されている方って実はそんなに多くはなんです。
住宅ローンを組んでマイホームを購入されたお客様の多くも、住宅ローン契約時に説明を受けて、初めて住宅ローンについてご理解いただき、ご署名捺印をされるケースが多いんです。ですが、お申し込み当初はご自分の返済計画を覚えていらっしゃっても、数年経つと住宅ローン残高も、(家計のやりくりは妻におまかせという方は…)月々の支払額も、ご自分のマイホームの返済計画がどうなっているのか、何年何月に支払いが終わるのか…年月が経つと覚えているか段々とあやしくなって来る方が多いんです…
このコラムをお読みの方でも、お心当たりのある方もいらっしゃるのではないかと思います。
そういった方々にも、このコラムをきっかけにご自身の返済計画を今一度ご確認いただくこと、場合によってはお借り換えなどもを検討していただければ幸いです。
▼住宅ローンに関するお話を動画で簡単に視聴できます。(SAKAいーじゃんTV)
金利の種類
まず知っているようで知らない、「金利」についてお話したいと思います。
住宅ローンには、大きく分けて「2つの金利」があり、住宅ローンを組む際はもれなくどちらの金利タイプを選ぶのか、その大事な選択を迫られることになります。
その2つとは【変動金利】 と【固定金利】 です。
まず、簡単に【変動金利】 と【固定金利】それぞれの違いを説明します。
【変動金利】 株のように変化しているものです。 そのため、一定期間ごとに月々の支払い額が変わっていきます。
【固定金利】 基本的には金利が一定で月々の支払い額は変わりません。
すごくざっくりとご説明するとこのような感じではありますが、「では、実際にどちらを選択するほうが良いのかがお得なの?」
そう思われる方が多いのではないでしょうか。本日は、この【変動金利】 と【固定金利】の違いについて中心にお話をします。
まず、金利のお話しする上で切っても切れないのが現在の日本の経済状況・景気です。
わかりやすい例でお話しすると、 1986年「バブル景気」と言われた時代がありました。
物価は高く、給料も高く、「好景気」と言われた時代です。
バブル景気を知らない世代にとっては考えられないことかもしれませんが、銀行にお金を預けたら、利息がかなりついてくる時代でした。
一説によると、利息だけで生活ができるほど。という夢のような時代もありました。
反面、利息だけではなく住宅ローンをはじめとするローンの金利も10パーセントと高かったようですが…金利が高額でも収入が多かった為、払えていたということですね。
一方で、現在はというと…皆さまご存知の通り「不景気」です。
「銀行に貯金を沢山預けているのに利息が0.15%や0.2%…預けてメリットあるの?」という方が大半でしょう。
一方で住宅ローンの金利は最低ラインと言って良いほど低い状態です。
つまり、 “好景気=金利が高い” “不景気=金利が安い” という具合に、金利というのは経済状況によって変動しているのです。
そして、【変動金利】と【固定金利】には金利そのものに以下のような違いがあるのです。
【変動金利】金利が変動していく分、スタートの金利が比較的安く設定されている
【固定金利】一定して比較的金利が高い
これこそが、住宅ローンを組む上での大きなポイントです。
「住宅ローン」の選び方
さて金利の種類ももちろん重要ですが、住宅ローンの借り先をどこにするのかも大きなポイントになります。
もし貴方が、住宅ローンを借りるならなるべく金利が安い銀行を選びたいと思います。
しかし金利だけで考えてしまうと実は、損をしている場合もあるんです。
住宅ローンの借り入れ先については、金利だけで考えず、様々な条件を考慮した上で選ぶ必要がありますし、貴方がサラリーマンなのか?自営業者なのか?
などによっても借り入れ先も選び方も変わってきます。
ここでは、大分県内の代表的な金融機関についてもお話をしたいと思います。
大分県の金融機関
ここでは代表的な大分県内の金融機関を紹介したいと思います。
大分銀行
言わずと知れた大分を代表する金融機関。通称「ダイギン」
帝国データバンクの2020年調べの「大分県メインバンク動向調査(2020年)」
では、大分県の企業がメインバンク(企業が主に取引する金融機関を1行に定めること)として大分銀行の県内シェアは 51.01%とシェア率第1位です。
そのため、皆さんのお給料の振り込み先などとしても馴染みが深く、知名度の高い金融機関として知られています。
大分銀行のローン相談窓口は、平日15時以降、土日も営業しており場所も大分駅近くの大分銀行宗麟館3階にありますのでアクセスも良好です。またそれ以外にも県内に、わさだローンプラザ、森ローンプラザ、別府ローンプラザ、県北ローンプラザ県内5拠点にローンの相談窓口があり県内のどこにお住まいでも相談しやすいのも大きなメリットです。
豊和銀行
帝国データバンクの2020年調べの「大分県メインバンク動向調査(2020年」調べで第2位は豊和銀行でシェア率は 11.62%
大分銀行と並んで馴染みのある金融機関です。
豊和銀行のローン相談窓口は「ほうわホルトホールプラザ」は、ホルトホール内にあり、平日はよる19時まで営業していますので、お仕事帰りにも
相談が可能です。また土日も営業しておりますので、土日がお休みの方もご相談が可能です。
またその他にも、みずほ銀行や、三井住友銀行などのメガバンクと呼ばれる全国に展開している大手銀行などもあります。
それぞれ、金融機関によってローンや金利も異なりますので、金融機関に直接相談に行くのも良いですが、不動産会社などの担当に
相談してみられるのもいいかもしれません。
動画で不動産について簡単に学ぶ!(SAKAいーじゃんTV)
変動金利 vs 固定金利どっちがお得?
これまでのお話をまとめると、「じゃあ、どっちの金利がお得なの?」といった話になってくるかと思います。
結論を申し上げますと!「未来のことは誰にもわからない」ので、「蓋を開けてみないと(返済が終わってみないと)どちらが得だったのかはわからない」ということになります。
つまり、住宅ローンで、【変動金利】【固定金利】どちらを選ばれても正解とも不正解とも言えないのです。
銀行も金融機関も責任は持てませんから、中立の立場でお客様の判断に従うことになる=お客様が難しい選択を迫られることになるのです・・・
住宅ローンは、多くの場合自動車ローンのように5年などの短い期間では終わりません。
20年間、35年間、40年間と長く付き合っていかねばならないローンですので、
今の景気だけでは全てを語れないわけです。
例えばですが、
・不景気で給料も安いが、物価も金利も安い。そんな時代に組む金利
・20年後に仮にバブルのような好景気な時代が訪れたとして、その時に組む金利
とでは、大きく変わってきます。
固定金利
【固定金利】を選ばれる方はそういった将来のリスクをおそれているのかもしれません。
景気に左右されることなく、世の中の大きな動きに怯えることなく、たとえ損をしたとしても月々決まった金額を支払っていればいつかはゴール(完済)にたどり着ける!多少遠回りしても着実に返済が進む安心感を重視される方かもしれません。実際、返済額も変わらないので人生設計も立てやすいです。
または、住宅ローンの返済期間内に好景気が訪れ、金利が高くなっても住宅ローンの金利は変わらないのでトータル的には得をする。と予想されているのかもしれません。
変動金利
一方で、【変動金利】を選ばれる方は、ずっと不景気が続く=金利が高くなる好景気は住宅ローンの返済期間内にやってこない、
つまり、金利はずっと安いままという予想して【変動金利】を選ばれたのかもしれませんし、株と同じである種のギャンブルのような【変動金利】を楽しいと思って、人生をかけた勝負!として選択されたのかもしれません。
またあるいは、とりあえず【変動金利】にしておいて、状況に応じて他の銀行に借り換えをしたらいい。とお考えかもしれません。
そして、もう一つ!果たしてその好景気が将来訪れたとして、それが30年後だとしたら?
大半の返済を終えたあとに好景気が訪れても、あまりメリットは無いかもしれません。
そうなるとトータルで考えると【固定金利】の方が高くなるかもしれない。そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
いずれにしても【変動金利】を選ばれた場合はいつ景気変動するかわからないので住宅ローン返済期間中は常にアンテナを張っておく必要があります。
金利それぞれのメリット
このように、それぞれにメリット・デメリットがあり、将来の景気傾向にも相反する【変動金利】と【固定金利】ですが、
この仕組みがわかっていると、
・これから何十年も不景気が続き、金利の低い時代が続くとしたらどちらがいいのか⇒【変動金利】
・これから景気が回復していって、金利が高くなるとしたらどちらがいいのか⇒【固定金利】
といった基本的なことはおわかりいただけると思いますので、それが選択する上でのヒントになってくるはずです。
そして、将来の景気がどうなっていくのか自分なりの予想をたてて、どちらの金利タイプを選択するのかを決めていただければ良いのです。
住宅ローンの借り入れ年数について
金利、種類、借入先などご自分の希望に合致した住宅ローンがある程度見えてきたら、次に考えるのは、借り入れの期間についてです。
2,000万円借入したとして、期間によって支払額は大きく異なります。
ここで1つ質問ですが「2,000万円の住宅」と「2,300万円の住宅」どちらが高いと思いますか??
「臼井さん何をふざけたことを…2,300万円の住宅のほうが高いに決まっている!」とそう思われている方がほとんどだと思います。
正解は、ローンの借入期間などによって大きく異るというのが正解です。
次の章では住宅ローンの借入期間についてご説明したいと思います。
住宅ローンの借入期間
住宅ローンの借入期間は、一般的に最長で35年です。一番短い借入期間だと最短5年からになります。
また借入の期間は、金融機関などによっっても異なる場合もありますので、詳しくはホームページや、窓口で確認してみてください。
頭金として用意できる金額や、借入の金額、月々の支払いの金額などを含めて、借入期間を決める必要があります。
長く借りれば、その分毎月の支払額は減りますが、金利負担額によってトータルの支払額は増えます。また借入期間が短ければ、
月々の支払額は増えますが、金利負担額が少なくなるのでトータルの支払額は少なくなります。
あまり無理をして支払い計画をたてると途中で支払いが苦しくなり、最悪せっかく購入したマイホームを手放すことにもなりかねません…
そうならないためにも、住宅ローンはプロに相談して計画的に行うことが重要です。
繰り上げ返済は得なのか?
「繰り上げ返済」という方法をご存知でしょうか?その名の通り、住宅ローンの支払いを繰り上げて返済する方法です。
繰り上げ返済は、毎月の返済とは別に、一定以上のまとまった金額を返済していく方法です。
繰り上げ返済で行う場合、その支払すべてが元本になるため(元本返済の前倒し)その繰り上げ返済を行った分の支払い利息が消えます。
つまり、総支払額を減らすことができる方法になります。
繰り上げ返済は、基本的に任意でいつでも支払いが可能ですが、支払い1回ごとの最低返済額と手数料については、契約を行った金融機関によって異なります。
繰り上げ返済の種類
繰り上げ返済には、返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎月の返済額を軽減する「返済額軽減型」の2種類があります。
どちらも、支払い利息は軽減できますが、一般的に効果が高いとされているのは、「期間短縮型」です。
「繰り上げ返済はしたほうが良い!」というイメージを持たれている方が多いのですが、その得のイメージが強いのが、「期間短縮型」と言われています。
基本的には、返済額がより多く、支払い時期が早くなるほど効果も大きくなります。
住宅ローンの押さえるポイント
さてここまでお話してきた、住宅ローンの基本をご理解された上で、これから大分で不動産物件探しをされる皆様に耳寄り情報をお教えします!
金利プランは【変動金利】と【固定金利】の大まかに分けて2つですが、実際には銀行によって固定期間を選択できるプランだったり【変動金利】と【固定金利】を自由に変更できるプランもあります。
また、もし金利が大幅に変わって損をしそうなら、今組んでいる住宅ローンを他の銀行さんでお借り換えをするなどという選択肢もあります。
それぞれの銀行さんのプランやご家族の将来をイメージしつつ、住宅ローンの種類を選択されるとよいかと思います。
あとは、半年に一度、難しい方は年末のローン残高が送られてきたときくらいは、ご自身の住宅ローンの金利や返済状況を見直してみることをおすすめします。
住宅ローンは多くの方が35年程の長期にわたり返済していく大変人生に大きく関わるローンです。
今回は金利について基本的なことをこちらに書かせていただきましたが、住宅ローンは10人いれば合ったプランは10人それぞれ違います。
家計の状況やご家族構成、健康状態やお勤めの会社や銀行との取引状況でも金利は代わります。
金利が数パーセント違うだけで、トータル数百万円変わってくる場合もあります。
ご自分にあった住宅ローンを選ぶためには、銀行にご相談されるもの1つですが、その場合、銀行によっては「使って欲しい住宅ローン」があるわけで、
ご家族様にあった住宅ローンではなく、組んで欲しい住宅ローンに誘導されている・・・というケースもあるかもしれません。
ですので、
・住宅ローン相談会などで最適な住宅ローンをアドバイスしてもらう
・住宅ローンに詳しいスタッフのいる住宅会社を選ぶ
・第3者であるファイナンシャルプランナーさん(有料の場合も)にお願いする
などしてご検討されるとよいかもしれません。
本日のまとめ
さてここまで住宅ローンの基礎知識のお話をしてきましたが、皆様は今後の日本の景気・社会情勢をどう予想されますか?
新型コロナウイルスの発生からたった1年間弱で世界全土に、大打撃を与えたことを誰も予想できなかったと思います。
ということは!これから景気がどうなるのかも誰にも予想はできません。
ですので、結局どちらの金利で組む方がお得!というのは断言はできませんがこのコラムをお読みいただくことで少しはご参考になったのではないでしょうか。
住宅ローンの選択は、みなさんがこれから大分で不動産物件探しや、家づくりにおいてとても重要です。
今回のコラムが、皆様の住宅ローン選びのご参考、または見直しのキッカケになれば幸いです。
それではまた・・・。
SAKAI株式会社 大分不動産情報サービスの臼井でした。