桜が散り、新緑の季節になると、不動産をお持ちの皆様の元に「あの封筒」が届きます。そう、固定資産税の納税通知書です。
封を開けて金額を確認し、「今年もこんなにかかるのか」「誰も住んでいない実家に、なぜこれほど払わなければならないのか」と、ため息をついている方も多いのではないでしょうか。
実は、2026年は3年に1度の「評価替え(基準年度)」ではありません。前回の評価替えは2024年、次回は2027年ですので、本来であれば評価額は据え置きとなる年です。
しかし、「評価額は変わっていないのに、なぜか税額が少し上がっている」というケースが少なくありません。
今回は、2026年ならではの納税通知書の正しい見方と、税金が高いと感じた時に確認すべきポイント、そして「税金が高い=ピンチ」ではなく「チャンス」に変えるための考え方を解説します。
目次
1. どこを見るべき?通知書のチェックポイント

通知書には細かな数字がたくさん並んでいますが、必ず確認すべき項目は以下の2つだけです。
① 固定資産税評価額(価格)
これは、総務大臣が定めた基準に基づいて、各自治体が算出した「その土地・建物の価値」です。 重要なのは、この数字は「実際に売れる金額ではない」ということです。これについては後ほど詳しく解説します。
② 課税標準額
実際に税金を計算する基礎となる数字です。 「住宅用地の特例」などの軽減措置が適用された後の数字がここに記載されます。 基本的に、ここの数字 × 1.4%(標準税率)が、概ねの年税額になっているはずです。
2026年の注意点:なぜ税金が上がる?
今年は評価替えの年ではありませんが、地価が上昇傾向にあるエリアでは「負担調整措置」という仕組みが働きます。
これは、急激な増税を防ぐために、本来の税額まで数年かけてなだらかに引き上げていく仕組みです。そのため、評価額自体は2年前(2024年)と同じでも、支払う税金だけが前年より微増している場合があります。「計算間違いかな?」と疑う前に、この調整措置が適用されていないかを確認してみましょう。
2. 「高すぎる!」と思った時の3つの確認事項
負担調整措置を考慮しても、「さすがに高すぎるのでは?」「去年の倍近くになっている気がする」と感じたら、以下のミスや変更点がないか確認してください。
特例の適用漏れはありませんか?

土地の上に「住宅」が建っている場合、200平米までの部分は課税標準額が「6分の1」に減額される特例があります。 もし、相続した実家を昨年中に解体して更地にした場合、この特例が外れます。その結果、土地の固定資産税が最大で6倍に跳ね上がることがあります。空き家の解体時期や、解体後の税額シミュレーションは非常に重要です。
建物の変更が反映されていますか?
すでに取り壊したはずの物置や倉庫が、まだ課税対象として残っていませんか? また、店舗を住宅にリフォームした場合、住宅用地の特例が適用されるはずですが、店舗並みの課税のままになっていないでしょうか。
近隣と比較しましたか?(縦覧制度)
毎年4月の一定期間、自治体では近隣の土地や家屋の評価額と比較できる「縦覧帳簿」を見ることができます。 もし、条件が似ている隣の土地と比べて自分の土地の評価額が明らかに高い場合は、審査を申し出る権利があります。
3. 【重要】「評価額=売却価格」ではないという真実
ここからが、不動産オーナー様にぜひ知っておいていただきたい「資産価値」のお話です。
多くの方が、通知書に書かれた「固定資産税評価額」を見て、「うちの不動産はこれくらいの価値しかないのか」と落胆されたり、逆に「この評価額分の税金を払うのは負担だ」と負債のように感じられたりします。
しかし、固定資産税評価額は、国が定める「公示地価」の約70%を目安に設定されていることをご存知でしょうか。
さらに、実際に市場で売買される「実勢価格」は、公示地価の1.1倍〜1.5倍、人気エリアや都市部ではそれ以上の値がつくことも珍しくありません。
つまり、通知書の数字は、実際の価値よりもかなり低く見積もられているのです。
本当の価値を知る計算式(目安)

お手元の通知書の「固定資産税評価額」を使って、実際の売却想定額をざっくりと計算してみましょう。
- 計算式: 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1〜(市場倍率) = 実際の売却想定額
例えば、土地の評価額が700万円だった場合。 700万円 ÷ 0.7 = 1,000万円(公示地価の目安) 1,000万円 × 1.3(市場倍率例) = 1,300万円
このように、評価額700万円の土地が、市場では1,300万円で売れる可能性があるのです。 「税金が高い」ということは、裏を返せばそれだけ「資産価値が高く、高く売れる可能性がある」という証明でもあります。
4. 2026年、持ち続けるか? 手放すか?
通知書を見て負担を感じたなら、その不動産の今後について考える良いタイミングです。
相続した不動産の場合
使っていない空き家や土地を持ち続けることは、毎年現金を捨てているのと同じです。 2024年4月から相続登記が義務化され、放置することのリスクも高まっています。権利関係がクリアなうちに、「売却して現金化する」か「活用する」かの方針を決めるのが吉です。
住み替えを検討中の場合
地価上昇が続き、固定資産税が上がっているエリアにお住まいなら、それは高く売れるチャンスでもあります。 2027年には次の評価替えが控えています。市場動向が変わる前に、現在の価値を把握しておくことをお勧めします。
5. まとめ:まずは「今の本当の価値」を知ることから
届いた固定資産税の納税通知書は、単なる税金の請求書ではありません。あなたの資産価値を見直すための「通知表」です。
「税金が高い」と嘆く前に、一度ご自身の不動産が「市場ではいくらで評価されるのか」を確認してみませんか?
評価額の数字よりもずっと高い金額がつくのか、あるいは早めに処分すべき物件なのか。それを知ることで、今後の節税対策やライフプランが明確になります。
あなたの不動産の「実勢価格」をお調べします
もし、お手元の納税通知書をご覧になりながら「この評価額だと、実際いくらで売れる可能性があるの?」と気になられたら、大分不動産情報サービスにお任せください。
